日本文学[近世・近代・現代]
村上春樹 表象の圏域  『1Q84』とその周辺
村上春樹 表象の圏域

叢書・〈知〉の森 9

米村みゆき[編]
四六判/368頁
本体2400円(+税)
ISBN978-4-86405-064-7
C0395
2014.06

日本現代文学


『1Q84』を中心に、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』『ノルウェイの森』などの村上春樹の小説から、表象・ジェンダー論のメソッドを用いて新たな相貌を析出する。
多彩なアプローチにより、これまでの春樹文学の解釈を更新する画期的な一冊。

【目次】

【T 村上春樹の表象空間】
1 可能性としての物語──「総合小説」としての『1Q84』……橋龍夫
2 既視の物語『1Q84』──始まりとしての〈声〉……佐々木亜紀子
3 閉じられない世界を求めて──『1Q84』におけるコミュニティ……松枝誠
4 コード1Q84──世界認識の新しい方法……錦咲やか
5 リライティング・スペース『1Q84』──BOOK1・2からBOOK3へ……中村三春

【U 村上春樹のジェンダー空間】
1 戦う女性表象で読む『1Q84』……遠藤郁子
2 〈幻想〉の恋人たち──『ノルウェイの森』から『1Q84』へ……徳江剛
3 『1Q84』の〈母〉たち──『海辺のカフカ』との対比において……平野葵
4 『1Q84』における暴力表象──女同士の連帯と親密性をめぐって……堀口真利子
5 村上春樹と“私的領域”──ルーティン化する〈恋愛〉が壊れるとき……米村みゆき

【コラム】
1 天吾と青豆をめぐる文学と映画……山口政幸
2 『1Q84』の続篇は書かれ得るのか?……米村みゆき
3 “国民的作家”村上春樹──『アエラ』記事を追って……米村みゆき
4 「虚構」としての『1Q84』……白鳥克弥
5 「シンフォニエッタ」の意味するもの……奥田浩司

資料 『1Q84』先行研究リスト

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【編者紹介】
米村みゆき(よねむら みゆき)
専修大学准教授。日本近現代文学、アニメーション文化論。
主な著書『宮沢賢治を創った男たち』(青弓社、2003年、日本児童文学学会奨励賞受賞)、『コレクション・モダン都市文化 漫画』(ゆまに書房、2008年)。