日本文学[古代]
生成する古代文学
生成する古代文学

津田博幸[著]
A5判/312頁
本体6400円(+税)
ISBN978-4-86405-059-3
C1095
2014.03

日本文学[古代]


古代文学を生成の相においてとらえる観点から、『日本紀講』注釈、神秘思想による歴史叙述、宗教実践などの〈現場〉において、そこで固有に生成される文学と言語表現へと迫る。

【目次】
はしがき
第一部 日本紀講と生成する書物・祭式
偽書づくりのわざ
日本紀講と先代旧事本紀
日本紀講の知
広成の読む『日本書紀』
聖徳太子と『先代旧事本紀』
『日本書紀』と〈説話空間〉
日本紀講からみた『源氏物語』

第二部 神秘思想と歴史叙述
歴史叙述とシャーマニズム
和歌とシャーマニズム
神秘思想と八世紀の〈環境〉
文字思想と漢字文

第三部 宗教実践者と神話的思考
アマテラス神話の胚胎
可能性としての「霊性」
仏教と神話的思考
「霊異」と仏典注釈

付論 方法としての〈現場〉
〈現場〉論の視点から

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【著者紹介】
津田博幸(つだ ひろゆき)
1957年生。慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程単位取得退学。現在、和光大学表現学部総合文化学科教授。専攻は古代日本文学。
本書未収論文に、「天皇霊」(西村亨編『折口信夫事典』1988年大修館書店)、「琉球国王の宗教的性格について」(慶応義塾大学国文学研究会編『南島研究と折口学』1990年、桜楓社)、「古代王権のことば─宣命と自尊敬語をめぐる言語生活史的考察─」(赤坂憲雄編『王権の基層へ』1992年、新曜社)、「漢字表現による破壊と創造」(『古代文学』第47号、2008年)、「〈狂気〉という〈方法〉─三谷邦明との対話─」(『日本文学』第59巻第5号、2010年)、「引用と変形」(『古代文学』第50号、2011年)など。