演劇
安部公房 メディアの越境者  
安部公房 メディアの越境者

メディアとパフォーマンスの20世紀 2

鳥羽耕史[編]
四六判/416頁
本体3600円(+税)
ISBN978-4-86405-055-5
C1374
2013-12

演劇


メディア革命の時代を生きる。
安部公房は、小説や戯曲だけでなく、映画、ラジオ、テレビ、写真など、同時代に発展した多様なメディアと積極的に関わり、ジャンルを自在に越境しながら、自らのモチーフを表現しつづけた。
文字・映像・音声・身体表現を巧みに駆使した安部の実験的な活動をさぐる。
《T総論》
メディアの越境者としての安部公房=鳥羽耕史
〈社会理論〉としての安部公房=リチャード・カリチマン

《U 戯曲・スペクタクル・パフォーマンス》
幽霊と珍獣のスペクタクル=日高昭二
死者との同化からマルクス的幽霊へ=木村陽子
安部演劇の可能性と限界=高橋信良
『未必の故意』序説=マーガレット・キー
俳優座から安部公房スタジオへ=井川比佐志インタビュー
アヴァンギャルディストの顔=佐藤正文

《V 映像と他ジャンルへの越境》
〈砂〉の闘争、〈砂〉の記録=森山直人
電子メディア時代における異化=永野宏志
ラジオドラマ『耳』『棒になった男』『赤い繭』=守安敏久
実在と非実在の間の空間における探求=コーチ・ジャンルーカ
メディア実験と他者の声=鳥羽耕史
安部公房と日本万国博覧会=友田義行

《エッセイ・劇評》
「快速船」の演出について=倉橋健
共同幻想を裁く眼=大島勉

安部公房年表=友田義行

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【編者紹介】
鳥羽耕史(とば こうじ)
早稲田大学文学学術院教授/日本近代文学、戦後文化運動
『運動体・安部公房』(一葉社、2007年)、『1950年代──「記録」の時代』(河出書房新社、2010年)など