歴史・文化史・民俗学
巡礼ツーリズムの民族誌  消費される宗教経験
巡礼ツーリズムの民族誌

本体5600円(+税)
門田岳久[著]
A5判/400頁

978-4-86405-047-0
C1039
2013.02

文化人類学・民俗学


パッケージツアーに取り込まれ、商品化された聖地巡礼は、宗教の衰退した姿でしかないのか? 四国遍路の巡礼バスツアーへの参与観察から、「現代の/我々の」宗教的営みが持つ可能性を探る。
【目次】
第1章 宗教・ツーリズム・再帰性──宗教的経験のエスノグラフィーに向けて

[T 資源化される宗教]
第2章 信仰の「価値」──聖地をめぐる資源化の力学
第3章 巡礼ツーリズムの誕生──宗教と観光の日本近代
第4章 巡礼ツアーのエスノグラフィー──二つの〈絡み合い〉が生み出す間身体的共同経験

[U 日常的宗教環境の再構築]
第5章 宗教観光業の地域民族誌/経営史──佐渡における宗教的環境の再編
第6章 日常における宗教的実践の消長──擬似巡礼儀礼の衰退と演出をめぐって

[V 個の経験からまなざす]
第7章 巡礼経験者の生活史と自己物語──対話されるリアリティーをめぐって
第8章 日常的秩序と超常現象の生態学──ナラティブ・憑依・巡礼経験
第9章 「経験消費」の設計思想──旅を通じた〈自己〉の形成に関する批判的考察
第10章 結論

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【著者紹介】
門田岳久(かどた たけひさ)
1978年愛媛県松山市生まれ。
東京都立大学人文学部社会学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士課程修了。博士(学術)。専攻は文化人類学・民俗学。
日本学術振興会特別研究員を経て、現在立教大学観光学部交流文化学科助教。
共著に『宗教と社会のフロンティア──宗教社会学から見る現代日本』(2012年、勁草書房)、『聖地巡礼ツーリズム』(2012年、弘文堂)、『来たるべき人類学3 宗教の人類学』(2010年、春風社)、『都市の暮らしの民俗学1 都市とふるさと』(2006年、吉川弘文館)。